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TEL.03-5957-3443
TEL.03-5957-3443副甲状腺は、甲状腺近くにあるためそのように呼ばれていますが、甲状腺とは別の独立した臓器です。 米粒程度の小さい臓器で、通常は甲状腺の周囲に4つの副甲状腺があります。
副甲状腺は、副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌し、それを介して血液の中のカルシウムの濃度を調節するという役割があります。
正常の副甲状腺は、わずか米粒大と小さな臓器であり、大きさ3~6mm、重量30~40mgと人体最小のホルモン分泌臓器です。
通常、甲状腺の裏側に位置しており、上下左右の4つの腺が存在します。
副甲状腺の数や位置は個体差があり、副甲状腺が5つ以上の場合、または3つしかないこともあります。 通常の副甲状腺は小さいため頸部の超音波検査で確認することは困難です。
通常の位置にないものを「異所性副甲状腺」と呼びます。
胎児の時に、鰓嚢[さいのう](舌の根元あたり)に存在している副甲状腺が、成長の過程で少しずつ移動していき、出生時には甲状腺の近くまで下降してきます。
その移動の際に生じる位置のずれによって、甲状腺の位置より上方や下方に留まることがあります。
主な副甲状腺ホルモンの働きは、血液中のカルシウム濃度の調整です。
血液中のカルシウムが過剰になると、尿や便にカルシウムを積極的に排出するように働きます。
反対にカルシウムが不足すると、骨に蓄えられたカルシウムを血液中に放出するよう働き、尿や便に一旦排出されたカルシウムを血液中に戻して、血液中のカルシウムを上昇させるように働きます。
一般的に血液中のカルシウムの濃度は、8.5~10.0mg/dlの間に厳密に調節されています(検査施設によって数値は若干の違いがあります)。
副甲状腺の機能亢進症により、副甲状腺ホルモンの病的な過剰分泌によって、血液中のカルシウム濃度が上昇し、尿路結石、骨粗鬆症や高カルシウム血症による様々な症状を引き起こします。
(食欲不振、悪心、嘔吐、便秘、倦怠感、筋力低下、精神症状、のどの渇き、多飲多尿)
診断には、血液中・尿中のカルシウムと副甲状腺ホルモン(PTH)の高値が決めてとなります。
副甲状腺機能亢進症があっても、これらの症状を伴わないこともありますが、血液検査でカルシウムの値が10mg/dlを超えたら、高カルシウム血症の疑いがあります。
副甲状腺機能亢進症の患者さんで、上記の症状が明らかな場合や、血清カルシウムの値が11mg/dl以上であれば、基本的には手術療法をお勧めします。
自覚症状が無い軽症例では、経過観察する場合もあります。
副甲状腺機能亢進症と診断されたら脱水になりやすいので注意が必要です。
血液中のカルシウムを上昇させないためにも、水分をこまめにとるようにして、カルシウムを多く摂り過ぎないようにしましょう。
病的な副甲状腺を的確に見つけだすことが私たち専門外科医の役割です。
「超音波検査」など画像検査で、腫大した病的副甲状腺を見つけます。
手術で腫大した副甲状腺を安全に摘出するためには、術前に部位診断を確実にしておくことが重要です。
副甲状腺は、個数の違いや解剖学的バリエーション(異所性副甲状腺)が存在するため、腫大した副甲状腺を見つけることが困難な場合があります。
当院ではその特性を熟知した内分泌外科医が診断を行っています。
診断には、「超音波検査」が有用ですが、超音波検査で見つからない場合は、「副甲状腺シンチグラム」や「CT検査」などを併用します。
通常は、頸部を切開して甲状腺周囲に達し、
腫大した病的副甲状腺を摘出する外科手術を行います。
副甲状腺機能亢進症は2種類あり、最適な手術方法を選択します。
原発性副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺に腫瘍が発生することで、副甲状腺ホルモンの分泌過剰が起こります。
その大部分は良性で、腺腫と呼ばれる腫瘍です。
腺腫の多くは1つの副甲状腺が原因で起こりますが、まれに2つの副甲状腺が原因になることがあります。
その他に遺伝性内分泌疾患を背景に発生する副甲状腺の過形成(4つの副甲状腺が腫大します)や、極めてまれですが、副甲状腺癌があります。
術前検査で判明している腫大した病的副甲状腺を摘出します。
多くの場合は1つの副甲状腺腺腫(良性の副甲状腺腫瘍)を摘出する手術で治癒します。
2つ以上の副甲状腺が病的腫大しているときには、それらの全てを摘出する必要があります。
入院して全身麻酔下で手術を行うことが一般的です。
当院では、副甲状腺病変の部位や患者さんの病状によって可能な場合に局所麻酔による日帰り手術も行います。
続発性副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺自体には原因がなく、他の要因が刺激になって副甲状腺ホルモンの分泌過剰が起こる病態です。
慢性腎不全の患者さんでは、腎蔵の働きが悪いために血液中のリンの蓄積とカルシウムの低下が起こります。
このことが刺激になって、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、副甲状腺の過形成を生じます。
副甲状腺全摘術(4腺全てを摘出)を行います。
全摘術だけでは副甲状腺がなくなってしまうので、同時に摘出した副甲状腺のごく一部を患者さんの体(前腕や腹部など)に移植(自家移植)します。
術後、血液中の副甲状腺ホルモンやカルシウムの値が速やかに正常化し、高カルシウム血症による様々な症状は改善します。
手術の時点で、副甲状腺機能亢進症により骨に影響が強い患者さんは、術後しばらくの間は「カルシウム製剤」の服用が必要です。
骨に対しては、骨粗鬆症の進行を抑えることができますが、術前から骨粗鬆症がある方は、骨粗鬆症治療薬の服用と定期的な骨密度測定を継続していきます。
腎臓に対しては、腎臓の機能を悪化させていた高カルシウム血症が解除されます。
新たに尿路結石を生じることはありませんが、尿路結石が残っている場合は、それが原因で発作が起こる可能性がありますので、手術後も注意が必要です。
患者さんの症状をうかがい診察の上、血液検査・超音波検査を行います。
副甲状腺機能亢進症が診断された場合、
腫大している副甲状腺を的確に見つけだし摘出手術を行います。
副甲状腺については、甲状腺専門の南池袋パークサイドクリニックにお任せください。
東京都の池袋駅東口出て5分の場所にあります。