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TEL.03-5957-3443
TEL.03-5957-3443橋本病は甲状腺に慢性的に炎症が起こる病気であり、別名「慢性甲状腺炎」と言われています。
病状・経過は個々の患者さんで様々ですが、甲状腺に起こる慢性炎症の長期経過において、甲状腺ホルモンの分泌が十分にできない状態となることがあります。
橋本病の患者さんは、家族に橋本病やバセドウ病の方がいる場合があり、男女比は1:10~20と女性が多く、軽症例を含めると成人女性の30人に1人程度の頻度であると言われます。
なぜ橋本病というのか?
橋本病は、1912年(大正元年)に日本人の橋本 策(はかる)先生がドイツの臨床外科雑誌に初めてこの疾患を報告したことから、「橋本病」という名がついています。
視診・触診にて、甲状腺の腫れ(全体に大きくなる)、硬さを診察します。
頸部違和感、不快感などをきっかけにご自分で気付かれることもありますが、ご家族やたまたま風邪で受診した病院の医師に指摘されるなど、周りの人からの指摘で初めて気付く場合もあります。
軽症の場合には甲状腺の腫れ以外には特に症状を認めないことが多いですが、病状が進行すると徐々に甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモンの不足した状態)を発症します。
以下の1と2に該当すれば橋本病(慢性甲状腺炎)と診断します。
上記1、2のいずれかに該当する。
または、超音波検査で慢性の炎症を思わせるような所見(正常でない疑い)を認める。
もしくは、明らかに甲状腺機能低下症があるが他に原因が認められない場合には橋本病(慢性甲状腺炎)の疑いとします。
人のからだには、細菌やウイルスなどが入ってくると、これに抵抗してからだを守ろうとする働きがあります。
このときに働く物質のことを『抗体』と言います。
細菌やウイルスが悪い働きをしないようにするタンパク質の一種です。
通常は、外敵に対してからだを守る働きである抗体ですが、
は、敵ではなく自分のからだの一部である甲状腺に対して、抵抗するように産生されてしまった抗体です。
橋本病の疑いがある場合に、血液検査にて「抗サイログロブリン抗体」または「抗甲状腺マイクロゾーム抗体(抗TPO抗体)」が陽性であるか検査します。
橋本病と診断される方の中には、甲状腺が「少し腫れている以外に症状の無い軽症の方」から「長期の炎症状態の結果による甲状腺機能低下症に陥っている方」までいらっしゃいます。
これらの病状は必ずしも同じように進む訳でなく、
など様々です。
症状に合わせた治療が必要になります。
橋本病の治療では、根本的に甲状腺に起こっている炎症を直すというような方法はありません。
経過を見て、甲状腺機能低下症になってしまった場合には甲状腺ホルモンを補充する治療を行います。
橋本病と診断・または疑いの方は、以下の3つの症状に合わせた治療を行います。
甲状腺ホルモンの過不足は無く、したがって甲状腺が腫れている以外には症状がなく、治療の必要もありません。
将来的には甲状腺ホルモンが不足し治療を要する可能性があるので定期的なチェックが必要です。
血液中の甲状腺ホルモンの値は正常ですが、甲状腺ホルモンをコントロールしている甲状腺刺激ホルモン(TSH)が上昇している方です。
このような状態を、潜在性甲状腺機能低下症といいます。
甲状腺ホルモンが正常である状態から低下していく移行期の様な状態です。
すぐに治療(投薬)が必要というわけではありませんが、定期チェックを慎重に行ったり、日常の食べ物の注意をしたりします(昆布などの大量のヨードを含む食品を控えていただきます)。
完全に甲状腺ホルモンが不足している状態です。
甲状腺ホルモン低下により下記の様な症状を来してきます。
このような場合には、甲状腺ホルモンのお薬を内服治療が必要です。
基本的には甲状腺ホルモンの補充を安定して行い、治療によって甲状腺ホルモンが正常に保たれていれば上記の症状は改善されていきます。
患者さんの症状をうかがい診察の上、血液検査・超音波検査を行います。
橋本病(慢性甲状腺炎)の診断で、甲状腺ホルモン補充の治療を要する場合は、
血液検査などを行いながらお薬の治療を継続していきます。
定期受診の方では、院内で血液検査を行い約1時間後、
結果を確認しながら診察をさせていただきます。
橋本病の治療は、甲状腺専門の医師(大学病院出身)がいる南池袋パークサイドクリニックにお任せください。
東京都の池袋駅東口出て5分です。