看護スタッフによる「看護だより」
第12回のテーマ「『骨粗鬆症予防の運動について』」
こんにちは。
寒い季節になりましたね。
インフルエンザももう少しすると流行り始めます。
みなさま、体調の自己管理にご注意下さい。
第12回のテーマは『骨粗鬆症(骨密度低下)とその予防のための日常生活のポイントについて』の続編です。
日常生活のあらゆる場面での工夫が骨粗鬆症予防につながっていきます。
3回目はこのテーマの最終回で『骨粗鬆症予防のための運動の工夫』についてです。
運動も骨粗鬆症の予防になります。
前回は、骨粗鬆症予防には、食事療法によって骨の減少を抑えることができると書かせて頂きました。食事だけでなく、日々の運動も重要な要素です。
運動は骨の量を増やし、骨を丈夫にします。絶えず骨に強い負荷が加わる運動ほど骨密度の増加が期待できます。また、骨粗鬆症による背骨の変形、姿勢の悪さに伴う慢性的な腰痛や背中の痛み、寝たきりによる筋力の低下、転びやすさなども運動により改善されます。
加齢に伴い激しい運動は難しくなっていきます。運動負荷は安全に行うことが最も重要です。すでに骨粗鬆症と診断されている方は骨折のリスクが高いため、骨折を避ける運動が大切です。
運動と聞くと敷居が高くなりがちですが、普段の生活に取り入れることで体を動かすことが習慣化するかもしれません。
普段の生活に取り入れる運動の例
- 家事する際に小まめに大きく動くようにする。
- お買い物は出来るだけ歩きで行動する。
- 移動時に1階分だけでも階段を利用する。
- バスや電車を使用する際に1駅手前で下車して歩く。
- ストレッチ体操
- ウォーキング(週2~3回20~30分程度)
⇒ ウォーキングはダラダラ歩くのではなく、リズミカルに姿勢を正して歩きましょう。
※水泳は骨密度の増加効果はあまり期待できないと言われています。
しかし、水泳は全身運動ですので膝の弱い方に対しては膝への負担を避けながら運動出来るため、全く意味のない運動ではありません。
※運動をする際は十分休養を取りつつ、夏は水分を多めに摂りながら行うように心がけましょう。
日光浴もしましょう
運動の際に屋外でウォーキングなどはとても効果的です。
前回、食事のポイントで説明したビタミンDは、直接太陽の光を浴びない日陰であっても、皮膚で合成することが出来ます。ビタミンDはカルシウムの吸収率も上げるため骨の形成にかなりの効果が期待できます。
日焼けに注意しながら、積極的に屋外で過ごすことをお勧めします。寒い日でも日中15分程度で十分効果が得られます。
薬物療法
骨粗鬆症の治療薬は様々な種類があります。骨が破壊されるのを防ぐための薬や足りない栄養素を補うための薬です。どの薬で治療となるかは医師の判断になりますので、まずは受診をして骨粗鬆症の検査をされることをお勧めします。 薬を開始しても、薬だけでは骨密度が上がるわけではありません。今まで説明してきたような食事や運動と併用していくことが大切です。
骨粗鬆症になると、骨密度の減少がさらに進みやすくなり、骨折のリスクが増大します。また、骨折によりQOL(生活の質)が低下することもあります。
骨粗鬆症になる前からの予防が大切です。特に女性は骨粗鬆症になりやすいため、早い時期から生活改善をし、QOLを低下させることなく楽しい生活を送り続けましょう。
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