看護スタッフによる「看護だより」

第4回のテーマ「『女性にとって身近な良性疾患《乳腺症》について』」

こんにちは。南池袋パークサイドクリニックの看護師です。
私たちはクリニックの看護師として通院している患者さんを含め、クリニックのホームページをご覧の方々にとって大切な情報を発信したいと思っております。これからもホームページをご覧になった際は、この『看護だより』も一緒に見て頂けたら嬉しく思います。

さて、第4回目のテーマは『乳腺症』についてです。
『乳腺症』は女性にとって、とても身近な良性疾患と言えます。
『乳腺症』と診断されると不安を抱く患者さんは少なくありませんので、
少しでも不安を解消して頂きたく、今回は『乳腺症』についてご説明します。


このような症状はありませんか?

  1. 乳房が張り(硬さ)やしこりがある
  2. 乳房の痛み

上記の症状は女性なら多くの方が自覚したことがあるのではないでしょうか。
実は、これらの症状が『乳腺症』の症状です。
これらの症状は月経周期によって変化することが多く、必ずしも両方の乳房に症状が出現するとは限らず片方の場合もあります。

『乳腺症』は20~50代の女性によく見られる良性疾患です。

『乳腺症』と診断される方の多くは生理的な状態です。
乳腺組織は、女性ホルモンの作用をうけるため『乳腺症』の症状は女性であれば誰もが起こりうる症状です。症状があっても検査等で異常が認められない場合は生理的に出現している症状と言え、極めて正常に近い状態です。従って、実際の診療では本来病気としては扱われません。

乳腺症の症状は月経前に強く感じる方が多く、その原因は、卵巣からのホルモン分泌により乳腺や乳管が肥厚・増殖し、その周りの結合組織(間質)内の血流が増加し張った状態になるためと考えられています。月経が終了すると和らぐことがほとんどです。
閉経後は自然に症状が緩和されていくことが多くなります。

『乳腺症』の検査について

  • 超音波検査
  • マンモグラフィ

乳腺症の方では、上記の検査で腫瘍と区別することが難しい影が認められることがあります。万が一乳がんが出来てしまった場合に早期発見の妨げになることもありますので、必要に応じて細かな経過観察を要します。

『乳腺症』の多くは治療の必要はなく、経過観察となります。
医師の指示に従い、定期的に検査を行うことをおすすめします。

『乳腺症』と『乳がん』の関係

『乳腺症』も乳がんも乳腺の細胞から発生する疾患です。大多数は『乳腺症』と無関係に乳がんが発生します。
『乳腺症』と診断されたからといって、乳がんになりやすいということはないため不安に感じる必要はありませんが、乳がんにならないという保証もありません。
『乳腺症』あるなしに関わらず、適宜乳房の自己検診を習慣づけ、年に1回はクリニックでの定期検診を受けましょう。

乳がん検診についてはこちら

自己検診についてはこちら

 

『乳腺症』と『乳腺炎』の違い

似たような病名に乳腺炎があります。
病名は似ていますが、乳腺炎は『乳腺症』とは違う病気で、乳腺に炎症が起こって赤く腫れたり痛んだり、膿が溜まったりする状態です。
多くは授乳中の女性に起こりますが、授乳期以外にも起こることがあるので気になる症状がある場合は診察を受けましょう。

乳腺症の症状をなるべく緩和させるには・・・

  • 食事に含まれる脂肪の量を減らす
  • コーヒーなどのカフェインの摂取量を減らす
  • ストレスをなるべく溜めないようにする
    ストレス解消法をたくさん持っておくことも大切です
  • 睡眠を十分に取る

などが良いと言われています。

食生活は片寄りがなく、規則正しい生活が大切です