看護スタッフによる「看護だより」
第32回のテーマ「甲状腺とヨウ素」
こんにちは。
今年も暑い夏がやってきました。
特にバセドウ病でまだ甲状腺ホルモンの状態が不安定な方は夏場の脱水に注意して、こまめに水分補給しましょう。
クリニックは6月で11周年を迎えました。
みなさんはヨウ素と聞くと何をイメージしますか?
おそらく、昆布などを思い浮かべる方が多くいらっしゃると思います。
ヨウ素が甲状腺の働き大きく関与していることをご存知でしょうか。
そこで、第32回目テーマは『甲状腺とヨウ素について』です。
甲状腺はのどぼとけの下にある小さな臓器です。
身体の新陳代謝や骨、筋肉の発達などに大きく関係しており、小さい臓器ではありますが身体にとってはとても重要です。
食物などとして身体の中に取り込まれたヨウ素が身体の組織を作るための材料やエネルギーとして利用されます。
食事になどに含まれる栄養素(ミネラル)の一つであるヨウ素は甲状腺のホルモンの合成や分泌に大きく関わっています。
人の身体の中にあるヨウ素のほとんどが甲状腺にあります。
ビタミンのように体内では作られないため、食事等から摂取することになります。
患者さんの中には健康のためにヨウ素が必要だと考え、ヨウ素の過剰摂取をした結果、甲状腺の機能が低下するなど影響が出て受診される方もいらっしゃいます。
ヨウ素だけに関わらず、栄養はバランス良く摂取されることをお勧めします。
多く摂取したからといって、必ずしも健康につながるわけではありません。
特に日本食は昆布だしなどヨウ素を含む食品を使用するお料理が多いため、日本人は1日に500~3000μgのヨウ素を摂取出来ていると言われています。
そのため、日本食中心のお食事されている方はヨウ素を追加で摂取する必要はありません。
その理由として昆布1g(すまし汁1杯分程度)にヨウ素は約2400μg含まれています。
1杯で十分なヨウ素を摂取していることになります。
また、うがい薬などに使用されているイソジンは多くのヨウ素が含まれます。
頻繁な使用を避け、適切に使用しましょう。
甲状腺の病気、検査、治療の内容によってはヨウ素を制限する場合もあります。
ヨウ素を制限する患者さんには看護師からお食事のポイントをお伝えしています。
普段の食生活でヨウ素を過剰摂取していると心当たりがあり、甲状腺疾患の症状も当てはまる方は一度当院に受診をして検査をしてみても良いかもしれません。
検査についてご不明な点等ありましたら、医師または検査技師にご相談下さい。
甲状腺や乳腺に気になる症状がある場合は、まずは受診してご相談ください。
(当院は、原則風邪等の一般内科の診察は行っておりません。)
初めての方はこちらからネット予約も可能です。
お電話でのご予約も承っております。
- 第32回甲状腺とヨウ素
- 第31回超音波検査
- 第30回正しいマスクの使い方
- 第29回クリニックリニューアルについて
- 第28回『マンモグラフィ』
- 第27回『止血ベルト』
- 第26回『乳腺の痛み』
- 第25回『橋本病やチラーヂン内服中で妊娠された方へ』
- 第24回『当院で採血検査を受けられる方へ』
- 第23回『甲状腺の術後のお傷のケアについて』
- 第22回『バセドウ病の方の夏の過ごし方について』
- 第21回『授乳中で乳腺炎と考えられる症状をお持ちの方へ』
- 第20回『もしかして甲状腺の病気??』
- 第19回『健康診断の結果をお持ちの方へ』
- 第18回『更年期と甲状腺』
- 第17回『小さなお子様連れの患者さんへ』
- 第16回『当院での医療連携について』
- 第15回『乳房の日々のケアについて』
- 第14回『南池袋パークサイドクリニック受診される方へ』
- 第13回『感染予防対策について』
- 第12回『骨粗鬆症予防の運動について』
- 第11回『骨粗鬆症予防の食事・栄養素について』
- 第10回『骨粗鬆症と検査法について』
- 第9回『甲状腺ホルモン薬の飲み方』
- 第8回『亜急性甲状腺炎』
- 第7回『不妊治療における検査と甲状腺』
- 第6回『バセドウ病と不妊症について』
- 第5回『橋本病と不妊症について』
- 第4回『女性にとって身近な良性疾患《乳腺症》について』
- 第3回『乳がんのセルフチェック(自己検診)方法』
- 第2回『意外な症状に潜む副甲状腺の病気』
- 第1回『バセドウ病の治療薬をスタートするにあたっての注意点』