看護スタッフによる「看護だより」

第23回のテーマ「『甲状腺の術後のお傷のケアについて』」

こんにちは。

暑い夏が到来しました。
暑い季節は特に術後の患者さんは術後の傷のトラブルが多い時期でもあります。
術後の傷をきれいに治すために、患者さんへお話ししている内容を共有できたらと思っております。


第23回目テーマは『甲状腺の術後のお傷のケアについて』です。

第16回目の看護便りでは医療連携についてお話ししました。
そこでも少し触れていますが、甲状腺の手術後の患者さんに向けて当院では術後の傷のケアについてサポートしております。

甲状腺は喉仏の下あたりにあります。
そのため、甲状腺の手術をすると傷は喉仏よりは下、鎖骨よりは上の位置あたりに傷ができます。
着用する衣服によっては、傷が外から見てわかる形で露出してしまいます。

傷の部分に紫外線など何らかの形で直接的に刺激が加わると、その後ケロイドとなり傷が赤く盛り上がってきてしまったり、シミになってしまい目立つ形で跡に残る可能性が大きくなります。
もともとのケロイド体質でない方は、傷が目立たずキレイに治る可能性が十分ありますので、術後の小まめなケアが必要となります。

当院で手術を受けられたほとんどの患者さんの傷はとてもきれいに治っていて、中には首のしわと比べてもわからないくらいにキレイな方もいらっしゃいます。

どうしても露出しやすい場所に傷ができるので傷跡などについて心配される方もいらっしゃいます。
当院では東京逓信病院と連携を組みながら、患者さんに向けて日々の創部ケアを術後に指導して患者さんの術前の不安を少しでも軽減できたり、術後に傷がきれいに治るためのサポートしております。

※当院での手術や指導の流れについては 第16回の記事 を参照下さい

《傷のケアについて》
抜糸後に、傷にテープを貼っていただきます。
抜糸後、傷自体は治っているので、入浴が可能になり、感染についての心配はありません。
また、傷を洗ったり、首を動かすことで傷が開いてしまうこともありません。

テープで傷を保護する期間は、およそ3~4か月です。
終了時期については、担当医がその方の傷の状況によって判断しますので、多少期間にはずれが生じることがあります。
体質によってはテープでケアしていてもケロイドになってしまうこともあります。

当院ではなるべくかぶれにくく、目立ちにくいテープをお勧めしております。

当院で推奨しているテープでかぶれてしまった場合は、他のテープでのケアに変更することもあります。
また、かぶれの状況によってはテープを貼ることを一旦お休みする場合もあります。
その場合は、直接的に傷が紫外線などの刺激を受けないようスカーフや襟の深い衣服の着用をお勧めしております。

  • ◎テープを貼っていて、外出時などに傷が気になる場合は、スカーフや襟の深い衣服を着用して対応しても構いません。
  • ◎テープの交換はなるべく入浴時に行い、傷は常に清潔な状態を保ちましょう。
    一定期間以上テープを貼り続けることはかぶれやかぶれ後の感染の原因となり、傷跡が目立って残る可能性もあります。

セルフケアが簡単なテープを使用しておりますので、術後の患者さんのほとんどがご自身でテープを上手に貼ることができています。

術後の傷についてのご相談は、担当医または、看護師にお尋ねください。


甲状腺や乳腺に気になる症状がある場合は、まずは受診してご相談ください。
(当院は、原則風邪等の一般内科の診察は行っておりません。)
初めての方はこちらからネット予約も可能です。
お電話でのご予約も承っております。
TEL:03-5957-3443