看護スタッフによる「看護だより」
第1回のテーマ「『バセドウ病の治療薬をスタートするにあたっての注意点』」
はじめまして、南池袋パークサイドクリニックの看護スタッフです。
今回から新しく開設しました『看護だより』では、私たち看護師から、甲状腺・副甲状腺や乳腺の病気、骨粗鬆症について皆様に知っていただきたい知識や情報などをお伝えしていきます。
バセドウ病の治療の1つに抗甲状腺薬を使用する内服治療法があります。
内服治療では、薬の副作用について知っておくことが大切です。軽微なものが多いですが、時に重篤な状態をきたすものがあります。
そのため、当クリニックでは抗甲状腺薬の内服治療をスタートする患者さんには、医師からの説明の後に、看護師から副作用の注意点について指導をしています。
副作用の中で1番気を付けていただきたい症状『無顆粒球症』
『無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう)』にかかると細菌感染を起こしやすい状態で、重症感染症を起こす可能性もあるため注意が必要です。
症状としては、発熱(38℃以上)、喉の痛みなどの風邪に似ていることが特徴です。風邪と思われるような症状でも無顆粒球症の可能性が否定できないため、「風邪だろう」と自己判断で我慢したりせず、お薬の内服は中止して、かかりつけの先生や近くの総合病院にすぐにご相談しましょう。
副作用が出現しているかどうかは、血液検査で発見することが出来るので、
当クリニックではご来院時に必ず血液検査を行っています。
その他の副作用『肝機能障害』や『薬疹』など
『肝機能障害』の初期は自覚症状がありません。症状が進んでくると皮膚が黄色っぽく変化する黄疸や皮膚のかゆみが出現します。
状態を知るには血液検査が有効です。無顆粒球症と併せて当クリニックでは血液検査で副作用の確認を行っています。
『薬疹』は皮膚に蕁麻疹や発疹、かゆみなどのアレルギー症状が出現する状態です。
緊急で対応する必要のある症状ではありませんが、症状が強い場合は早めに医師に相談しましょう。
ご心配な症状がある場合は、我慢せずまずかかりつけの先生にご相談しましょう。
副作用は飲み始め2~3ヶ月の間に出現しやすい
副作用が出やすい飲み始めは注意が必要です。当クリニックでは、服用開始3ヶ月までは2~3週間毎に通っていただき慎重に経過を見ています。
始めのうちはこまめに通っていただくことになり、内服治療は長期間かかります。無理せず気負いすることなく来院出来る時にしていきましょう。
お薬が切れてしまったり、バセドウ病の症状が良くなってきて自己判断で服用を中断してしまうとバセドウ病の症状が悪化する場合がありますので、医師の指示の通りに継続して通い、お薬はきちんと内服しましょう。
- 第32回甲状腺とヨウ素
- 第31回超音波検査
- 第30回正しいマスクの使い方
- 第29回クリニックリニューアルについて
- 第28回『マンモグラフィ』
- 第27回『止血ベルト』
- 第26回『乳腺の痛み』
- 第25回『橋本病やチラーヂン内服中で妊娠された方へ』
- 第24回『当院で採血検査を受けられる方へ』
- 第23回『甲状腺の術後のお傷のケアについて』
- 第22回『バセドウ病の方の夏の過ごし方について』
- 第21回『授乳中で乳腺炎と考えられる症状をお持ちの方へ』
- 第20回『もしかして甲状腺の病気??』
- 第19回『健康診断の結果をお持ちの方へ』
- 第18回『更年期と甲状腺』
- 第17回『小さなお子様連れの患者さんへ』
- 第16回『当院での医療連携について』
- 第15回『乳房の日々のケアについて』
- 第14回『南池袋パークサイドクリニック受診される方へ』
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- 第12回『骨粗鬆症予防の運動について』
- 第11回『骨粗鬆症予防の食事・栄養素について』
- 第10回『骨粗鬆症と検査法について』
- 第9回『甲状腺ホルモン薬の飲み方』
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- 第6回『バセドウ病と不妊症について』
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- 第3回『乳がんのセルフチェック(自己検診)方法』
- 第2回『意外な症状に潜む副甲状腺の病気』
- 第1回『バセドウ病の治療薬をスタートするにあたっての注意点』