診療時間月〜金曜 :午前9:00〜12:00 / 午後14:30〜17:30 ※
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TEL.03-5957-3443
TEL.03-5957-3443甲状腺ホルモン(FT3, FT4)の分泌が過剰になる病態(甲状腺機能亢進症)の代表的な疾患が「バセドウ病」です。
甲状腺ホルモンの分泌調整は脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)が担っています。
TSHは甲状腺のTSH受容体に結合して甲状腺ホルモンの産生・分泌を刺激します。
バセドウ病では、病的な自己免疫反応によりTSH受容体抗体(TRAb)が産生されてしまい、TSHの代わりにTRAbがTSH受容体に結合して、甲状腺ホルモンの産生・分泌が過剰に刺激されることから甲状腺機能亢進症になります。(TRAbが産生される原因・機序については未だ明確に解っていません)
アイルランドの医師Graves(グレーブス)によって、1835年に初めて報告されました。
その後にドイツのBasedow(バセドウ)伯が独自に発見・報告しました。古くから、 1.甲状腺腫大 2.眼球突出 3.頻脈 がバセドウ病の3徴といわれ、バセドウ病を診断する手がかりとしていましたが、必ずしもこの3つの特徴がみられるわけではありません。
現在では、血液検査で甲状腺ホルモンや、ホルモンを過剰に分泌させてしまうTRAb(TSH受容体抗体)などを測定できるため、バセドウ病の診断が容易になりました。
バセドウ病では、甲状腺機能亢進症により全身の代謝が異常亢進しているために、下に記すように全身にさまざまな症状がみられます。
患者さんの症状をみて、必要な検査を行いバセドウ病の診断を確認します。
以下に診断ガイドラインを掲示します。
バセドウ病では、甲状腺機能亢進症により全身の代謝が異常亢進しているために、下に記すように全身にさまざまな症状がみられます。
甲状腺ホルモン合成阻害薬である「抗甲状腺薬」の内服治療です。
抗甲状腺薬には、MMI(メルカゾール)と、PTU(チウラジール、プロパジール)の2種類があります。
一般的にはMMIを第一選択として使いますが、妊娠中・授乳中の患者さんにはPTUを用いることが勧められています。
軽度な副作用として、皮疹(蕁麻疹)、軽い肝機能障害、筋肉痛、関節痛、発熱などがみられることがあります。重大な副作用には、無顆粒球症、多発性関節炎、重症肝障害、MPO-ANCA関連血管炎症候群などがあります。
無顆粒球症とは、血液中の白血球成分である好中性顆粒球が500個/μL以下に低下した状態を指します。抗甲状腺薬が有効でない治療抵抗性のバセドウ病に対して行うアイソトープ(ラジオアイソトープ:放射性同位元素)を用いた治療法です。
「放射性ヨード」という放射線を発するアイソト-プを中に入れたカプセルを飲むという方法です。
体内に吸収された放射性ヨードの多くが甲状腺細胞に取り込まれる性質を利用し、ピンポイントで甲状腺ホルモンを作る細胞を徐々に破壊していきます。
その結果、作られる甲状腺ホルモン量が少なくなります。
放射性ヨードから出る放射線の影響は、甲状腺だけにあり安全な方法であります。
(以前は、放射線被爆を懸念する観点から、若い女性には薦めないなどの考えがありましたが、安全性が確立されています。)
甲状腺を切除する外科手術です。 バセドウ病の甲状腺機能亢進症に対する有効な治療法の一つで、治療効果が早く得られて確実性が高い方法です。
以前は、難治性のバセドウ病(内科的治療抵抗性または甲状腺腫が大きい等の治りにくい症状)に対する手術として、甲状腺の一部を残す(残置甲状腺は4~6g程度)「甲状腺亜全摘」が一般的に行われていました。 これにより、甲状腺機能がちょうど良いバランスになることを期待する治療法でした。しかし、術後2年後に15%、5年後には20%程度の甲状腺機能亢進症の再発があります。 現在では、このような難治性バセドウ病に対する外科手術として、甲状腺機能亢進症の再発を無くするために「甲状腺全摘術」を行うことが多くなっています。
患者さんの症状をうかがい診察の上、血液検査・超音波検査を行います。
バセドウ病の診断で内服治療が適当と判断した場合は、血液検査で甲状腺ホルモンの様子・副作用のチェックなどを行いながらお薬の治療を継続していきます。
定期受診の方では、院内で血液検査を行い約1時間後、結果を確認しながら診察をさせていただきます。
バセドウ病の治療は、甲状腺専門の医師(大学病院出身)がいる南池袋パークサイドクリニックにお任せください。東京都の池袋駅東口出て5分です。