看護スタッフによる「看護だより」
第24回のテーマ「『当院で採血検査を受けられる方へ』」
こんにちは。
冬になりました。
新型コロナウィルスの感染の心配もまだ拭えず、マスクを常にする生活が当たり前に感じるようになってきました。
マスクをせずに外出していた日々が長い前のような感じもしています。
一日も早く安心して以前のような生活を迎えられることを日々願っています。
まだまだ油断ぜすに一人一人の感染症対策が重要になります。
第24回目テーマは『当院で採血検査を受けられる方へ』です。
開院当初から比べると通院される患者さんが増えた分、採血検査を受けられる方の人数もかなり増えました。
採血はスムーズに採取している様子を見ると簡単な手技に見えてしまいますが、かなり難しい技術を要し、針を扱う行為なので危険も伴う検査です。
今回は採血検査の注意点をお伝えしようと思います。
《針を刺した時に、指先のしびれや強い痛みがある。》
上記の症状は神経に触れた時の症状です。
神経に触れた可能性のある場合は、直ちに針を抜き、別の血管での採血をし直す必要があります。
神経は目で見ても触れてみてもわかりませんので、針を刺した時に偶然に神経に触れてしまうことがあります。
そのため、患者さんの中には血管を指定される方もいますが、指定された血管が神経や筋などに触れる可能性の高い位置にある場合は別の血管を選択させて頂く事もあります。
神経に触れた時には指先がしびれたり、穿刺部位の強い痛みが生じます。
当院では採血時、針を刺した直後に患者さんへ指先のしびれがない確認しています。
何か違和感を感じた時は、我慢せずにその場で伝えて下さい。
《採血後にアザになった》
血管が細かったり、脆い血管、針を刺した時や後に腕を動かしてしまった、採血した腕で重い荷物を持ったなどが原因で採血の時に血液が中で漏れてしまい、アザになってしまうことがあります。
もともと血管が細くない方でも、寒い、身体が冷えている、脱水、食事や水分を摂っていない、年齢などで血管の状態が変わります。
当院の血液検査は担当医から指示がない場合は、採血前に食事をしてきても構いません。
採血前には十分水分を摂り、身体は冷やさないようにしましょう。
当院では採血後にご自身でしっかり針を刺した部位の圧迫止血を5分間して頂くようにお声かけしております。
採血時に問題なくても、採血後の止血がしっかりされていないとアザになってしまう原因となります。
採血後5分間は腕を動かさずにしっかり止血をしましょう。
外出を希望される場合は、5分間しっかり止血をした後に外出をしましょう。
また、採血した日は入浴時に針を刺した部位をゴシゴシこすったり、バッグなどの荷物を採血した方の腕にかけないようにご注意下さい。
これらもアザになる原因になります。
血液凝固機能に障害をお持ちの方、抗凝固剤を服用中の方は出血しやすかったり、血液が止まりにくい場合があります。
そのような場合は、通常よりも採血後にアザになりやすいため止血を長めにして頂く必要がありますので、事前に看護師にお申し出下さい。
出血が止まりにくいケースでは、きつめの衣服を着ていることも原因の一つです。
採血することが分かっている日は、袖を捲りあげても腕を締め付けないようなゆったりとした服装でご来院下さい。
腕時計やアクセサリーは腕を締め付けるほどきついものでなければ事前に外す必要はありません。
アザになってしまっても、2週間ほどでアザは消えます。
《採血後に気分が悪くなった》
極度に緊張していたりすると血管迷走神経反射によって血圧低下や脈が遅くなったり、気分不良などを起こしやすくなります。
また、緊張が強いと筋肉も緊張してしまうため血管が見つけにくくなります。
採血で緊張してしまう場合は、採血前にゆっくりと呼吸しながら待ちましょう。
採血が苦手な方、先端恐怖症のある方など採血に不安が強い方は、ベッド上での採血が可能ですので、我慢せずに採血前に看護師にお伝え下さい。
また、以前に採血でご気分の悪くなった経験のある方はベッド上採血をお勧めします。
採血中に気分が悪くなった場合は、直ちに看護師にお伝え下さい。
針を刺したままで動いてしまうと危険が伴います。
《採血後に針を刺した周辺の皮膚が赤くなったり、かゆくなる場合》
採血の時に皮膚を消毒した際に使用したアルコールで反応している可能性があります。
アルコールアレルギーの可能性がありますので、上記症状が出たことがある場合は、看護師に事前にお伝え下さい。
当院が初めての患者さんには全員にアルコールアレルギーの有無について確認させて頂いております。
アルコールアレルギーがある方には別の消毒液を使用しております。
また、止血で使用したテープや絆創膏でのアレルギー反応も考えられます。
皮膚が弱く、テープかぶれなどを起こしやすい方は事前に看護師にお伝え下さい。
止血時の対応のご相談が可能です。
《実はやってはいけないこと・・・》
採血直前や採血の際にゴムで腕を縛った後に、グーパーを繰り返したり、腕を叩く行為は採血結果に影響が生じることがあります。
また、逆に血管を収縮させてしまうことがあります。
血管が見えにくい場合は、看護師が別の対応で血管が出てくるようにサポート致します。
腕を叩いたり、グーパーを繰り返す行為はせずに採血をお待ちください。
健康診断などで採血は身近な行為でもあるかもしれません。
簡単に見える手技かもしれませんが、針を刺すという行為は危険を伴うため慎重な手技が必要となります。
少しでも知識を知っていると、患者さん自身でリスクを予防できたり、スムーズな採血につながる場合もあります。
甲状腺や乳腺に気になる症状がある場合は、まずは受診してご相談ください。
(当院は、原則風邪等の一般内科の診察は行っておりません。)
初めての方はこちらからネット予約も可能です。
お電話でのご予約も承っております。
TEL:03-5957-3443
- 第32回甲状腺とヨウ素
- 第31回超音波検査
- 第30回正しいマスクの使い方
- 第29回クリニックリニューアルについて
- 第28回『マンモグラフィ』
- 第27回『止血ベルト』
- 第26回『乳腺の痛み』
- 第25回『橋本病やチラーヂン内服中で妊娠された方へ』
- 第24回『当院で採血検査を受けられる方へ』
- 第23回『甲状腺の術後のお傷のケアについて』
- 第22回『バセドウ病の方の夏の過ごし方について』
- 第21回『授乳中で乳腺炎と考えられる症状をお持ちの方へ』
- 第20回『もしかして甲状腺の病気??』
- 第19回『健康診断の結果をお持ちの方へ』
- 第18回『更年期と甲状腺』
- 第17回『小さなお子様連れの患者さんへ』
- 第16回『当院での医療連携について』
- 第15回『乳房の日々のケアについて』
- 第14回『南池袋パークサイドクリニック受診される方へ』
- 第13回『感染予防対策について』
- 第12回『骨粗鬆症予防の運動について』
- 第11回『骨粗鬆症予防の食事・栄養素について』
- 第10回『骨粗鬆症と検査法について』
- 第9回『甲状腺ホルモン薬の飲み方』
- 第8回『亜急性甲状腺炎』
- 第7回『不妊治療における検査と甲状腺』
- 第6回『バセドウ病と不妊症について』
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- 第4回『女性にとって身近な良性疾患《乳腺症》について』
- 第3回『乳がんのセルフチェック(自己検診)方法』
- 第2回『意外な症状に潜む副甲状腺の病気』
- 第1回『バセドウ病の治療薬をスタートするにあたっての注意点』